ソーシャルレンディング
シンプルでありながら利率の高さが魅力
投資をするためのサービスを決め、案件と投資金額を決定するだけで始められるとてもシンプルな投資方法がソーシャルレンディングです。クラウドファンディングの一種でもあり、注目が高まっています。毎月分配型のものが多く、元本とリターンが帰ってくるのを待つというもの。具体的にどのような仕組みの商品なのか、気を付けておきたいことは何なのかなどについてご紹介しましょう。
ソーシャルレンディングはわかりやすい投資商品でもありますが、リスクがないわけではありません。メリットだけに目を奪われてしまうのではなく、どのようなリスクがあるのかを事前に抑えてから検討することも重要になってきます。
ソーシャルレンディングとは
ソーシャルレンディングは近年注目されている投資方法の一つではありますが、その市場は急成長しています。その大きな理由は高利回りにあるといえるでしょう。
簡単にシステムを説明すると、従来、出資者が資金の調達を希望している方と結びつくためには銀行などの金融機関が仲介を行っていましたが、金融機関を介さずにインターネット上で出資者と資金調達希望者を結び付けるシステムのことです。
このシステムを利用する場合、出資者の方はソーシャルレンディング運営会社によって提供されている情報を確認し、どこに投資するのかを決めます。例えば、13%の貸出金利で融資を行ったとしましょう。間に入るソーシャルレンディング運営会社の手数料が引かれるため、仮に手数料を5%とした場合、個人投資家には8%の利回りが分配されることになります。
借り手となる資金を調達している側は資金の返済をすると同時に利率を支払わなければなりません。先程の例だと13%の利率を支払うことになります。ここからソーシャルレンディング運営会社が手数料を引き、残りを投資家に分配するのが基本的な仕組みです。
ソーシャルレンディングのメリット
高利回りが期待できる
金融機関が仲介を行う方法は、金融機関側に貸出先の選定を任せる形となっていました。それだけでなく、安全性の評価なども銀行が行うことになるのです。すると、どうしてもコストがかかってしまうため、これらが差し引かれて銀行にお金を預け入れた場合の利息は低くなりました。
日本では何十年も大金を預けていたとしてもなかなか増えませんが、ソーシャルレンディングはインターネットを通してやりとりをすることもあり、コストを抑えられるのが魅力です。これにより出資者は高い利回りを期待することができます。
これはお金を預ける側だけでなく、資金を調達しようと思っている側にとってもメリットです。従来の方法に比べると借出金利が抑えられるため、より安全に資金を調達しやすくなりました。
出資者と資金調達者のどちらかだけでなく、両方にとってメリットのある仕組みだといえるでしょう。具体的な利回りは5~15%ほどとなっています(2021年6月時点、編集チーム調べ)。
少額投資が可能
投資方法の中には数百万円といったまとまったお金を用意しなければならないものもありますが、ソーシャルレンディングの場合は10,000円からの少額投資も可能となっています。
投資で失敗をしないためには分散投資をすることが重要とされていますよね。少額投資が可能ということは分散投資にも対応できるということなので、ソーシャルレンディングへの投資についても検討してみてはどうでしょうか。
短期の投資でリスクを抑える
投資方法の中には期間が長いものもあります。期間が長くなればなるほど利回りが良くなるのは魅力ではありますが、同時にリスクも高くなるのが難点です。
ソーシャルレンディングの場合は3か月や6か月といった機関で運用できるものもあるため、リスクを抑えて投資したいと思っている方にも向いているでしょう。銀行に預けていてもなかなか増えないお金を短期的に運用したいと思っている方にも適しています。
ソーシャルレンディングのデメリット・リスク
歴史が浅い
投資方法の中にはかなり歴史が古いものもありますが、ソーシャルレンディングは近年注目を集めるようになったまだまだ新しい投資方法です。新しいシステムを取り入れた投資方法という点では魅力がありますが、言い換えてみるとまだ歴史が浅い投資方法でもあります。
原型となるサービスが開始されたのは2005年のこと。ここからも新しい投資方法だということがわかるでしょう。何十年にもわたって運用されている投資方法に比べるとまだ信用力が高いとはいえません。
貸し倒れリスクがある
ソーシャルレンディングは原則的に元本が保証されていません。そのため、貸し倒れリスクについては十分押さえておきましょう。 万が一、ソーシャルレンディングで融資した案件が貸し倒れとなってしまった場合、大きな損失をこうむる可能性もあるのです。ただ、近年はこういったリスクを低減させるために不動産などの担保をつけることを条件としているものも増えてきました。こういったものを選択しておけば貸し倒れリスクについてはある程度対応できるでしょう。
運用内容は指定できない
自分でどの案件を選択するかは選べますが、具体的にどのような運用を行っていくのかについてはソーシャルレンディング事業者が決めることになります。そのため、どれくらいの利回りの実現が期待できるのかについてはソーシャルレンディング事業者の実力に大きく左右されるといえるでしょう。
人気案件は競争率が高い
まだまだ始まったばかりの投資方法ということもあり、できるだけ短期で運用が終わるリスクの低い案件を検討している方が多いようです。しかし、そういったものに人気が集中する傾向にあり、募集が開始されてからすぐに満額に達してしまうこともあります。 中には募集開始と同時に申し込みが殺到し、ほんの数分程度で満額に足してしまうものもあるのです。人気案件は利回りが良いだけでなく、運用会社が実績を持っているなどのメリットもあるため、申し込みが集中してしまいます。 気になる案件が出てから口座を開設しても間に合わない可能性があるので、事前に口座開設を済ませておきましょう。
途中解約はできない
案件によって対応は異なりますが、ほとんどの場合は途中解約に対応していないと思った方が良いです。そのため、融資期間が長くなるものを選択した場合などは特に気を付けておかなければなりません。
投資申請のキャンセルがオンラインでできないところも
投資申請をした後、キャンセルを検討している…という場合、キャンセルの連絡をどのように行えば良いのか事前に良く確認しておかなければなりません。中にはオンラインではキャンセルができず、電話をしなければならないところもあります。
一攫千金は期待できない
FXのようにレバレッジをかけられる投資方法ではありません。利回りが高いといっても具体的にどれくらいの利益が期待できるのかについては用意できる元手資金によって大きく左右されます。 そのため、どちらかというと安定的に運用を行い、少しずつ増えていくのを期待する投資方法だといえるでしょう。
案件管理の難しさ
自分自身で投資状況がよくわからなくなってしまうことがあります。各ソーシャルレンディングの事業所の管理画面で一つずつログインして確認する必要があるため、案件管理が難しいと感じている方も多いようです。
ソーシャルレンディング事業者一覧
オーナーズブック
2014年9月にスタートした、不動産特化型ソーシャルレンディングサービスです。不動産のプロフェッショナルが運営しており、建物の状況や交通・接近条件、物件評価額など、投資家が知りたい情報をサイト内で細かく開示していることが特徴です。
なお、オーナーズブックを運営するロードスターキャピタルは、2017年にはマザーズ市場への上場を果たしています。
SBIソーシャルレンディング
2011年3月にサービスを開始した、SBIグループの100%子会社です。
過去には不動産担保ローン事業者に事業資金を融資するファンドなどで実績を積んできており、ソーシャルレンディング業界では大手と言える存在になっています。1万円から投資が可能という敷居の低さも、魅力のひとつです。
SAMURAI(旧スマートエクイティ)
第1種金融商品取引業者(証券会社)であるSAMURAI証券株式会社(旧AIP証券株式会社)が運営するソーシャルレンディングサービスです。
元はスマートエクイティというサービスで2015年5月から運営されていましたが、2017年末に現在のSAMURAIとしてリニューアルされました。プロ投資家向け投資、海外投資、社会貢献型投資など、個人投資家がなかなか触れていなかったような投資を取り扱っているという特徴があります。
クラウドバンク
ソーシャルレンディングの証券会社として、2013年10月からはじまったサービスです。
バリエーションに富んだファンドがあり、中小企業を支援する「中小企業支援型ファンド」、太陽光発電所や風力発電所に投資する「代替エネルギー特化型ローンファンド」、東南アジアなどの新興国を支援する「新興国支援型ローンファンド」など、性質の異なる案件が多く、それぞれに投資できるのが特徴です。
maneo(マネオ)
2008年10月にソーシャルレンディングサービスを開始した会社です。業界のリーディングカンパニーと言える存在で、ソーシャルレンディングを調べていれば、間違いなくたどり着く事業者と言えるでしょう。
これまでの成立ローン総額は1600億円以上(2021年6月時点)。実績、規模共に業界を牽引しています。
クラウドクレジット
2014年6月にサービスを開始したクラウドクレジットは、海外に特化したソーシャルレンディング事業者。南米やヨーロッパ、アフリカなどの新興国の小口債権をメインに扱っています。
国内で、円建て、ドル建て、ユーロ建て、ルーブル建てと、4種類の通貨で運用ができます。
当サイトでは、事業として運用のしがいがある不動産投資に注目。
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