投資詐欺の代表的な手口と対策
一攫千金を夢見る人に、言葉巧みに近づいて実体のない投資話を持ちかけ、大金をだまし取ろうとする「投資詐欺」。ただ、投資詐欺の方法には、いくつかのパターンがあります。それらを知っておくことで、うまい話に騙されないように自己防衛を図っていきましょう。
投資詐欺でありがちな手口
ファンド型
ファンドとは、複数の投資家から資金を集め、それをプロが運用することで得られた利益を分配していくシステムです。投資を募る際にはスキームが説明されるので、投資の有無を投資家自身が判断し、資金を投入していくことになります。
プロが運用するということで安心感があるかもしれませんが、そこに大きな落とし穴があります。詐欺師は、通常ではあり得ないような高利回りの投資を、最もらしい言葉で実現可能なように見せかけます。そうして集めた資金は、運用ではなく、別の投資家への配当に回されます。お金を生み出す仕組みが用いられないですから、当然ながらいつかは破綻します。
このやり方は、「ポンジスキーム」と呼ばれ、投資詐欺の中では最もメジャーなものの一つとなっています。
株・FXのシステムトレード
株やFXのシステムトレードは、最近ではパソコンだけでなくスマートフォンを使っても株取引ができるようになりました。初期投資が比較的少額でもはじめられるということで、ここから投資をはじめる若い人が増えてきています。
ただ、このシステムトレードでは「必ず儲かる」などとうたって高額な自動売買プログラムを買わせたり、プログラム利用料をだまし取ったりする詐欺がたくさんあります。あるいは、「年収○億円!」などの謳い文句で投資セミナーに勧誘するようなものもあります。
投資の世界に、「必ず」という言葉はあり得ません。単純に考えれば、もしそれが本当に儲かるなら、他人に教えず、自分だけで利用するはずですからね。
未公開株
上場企業の株取引は、原則として証券取引所を介して行われます。経済ニュースや新聞などで、株価の動きを目にすることがあるかと思いますが、それが公開株の取引です。一方、上場していない会社の株のことを、「未公開株」と言います。この「未公開株」を「上場する」などと言って購入させる手法は、古くから用いられている投資詐欺の手口です。
実在するものの上場予定のない会社の株を買ったということであれば、元金が帰ってくる可能性はあります。しかし、実際に存在しない会社の株や、偽造された株券などを買ってしまった場合、気がついたときには単なる紙切れが残るだけ、ということになります。
未公開株を使った詐欺は、時折ニュースにもなります。うまい話はないと、肝に銘じておきましょう。
社債
事業拡大のための資金調達などを目的に会社が発行する債券を「社債」と言います。社債を買うことは、その会社にお金を投資することと同じ意味となります。
そのため、満期日までの間は利息という形で利益が得られ、満期日には社債の購入に投資したお金も戻ってきます。会社が健全な経営をしていれば最小限のリスクで利益を得られることから、非常に人気の高い投資のひとつとなっています。
しかし人気がある投資方法は、詐欺師にとってもお金を集める有効な方法となります。投資詐欺師は、経営状態の良くない会社や詐欺目的でつくられた会社の社債を、高利回りなどをうたって販売します。当初は利息を支払うものの、気がつけば業者と連絡がとれなくなったり、会社自体がつぶれたりしていることも。また、その前には会社の経営難などを理由に、追加投資を煽るケースもあります。投資家は、既に投じた資金が無駄になることを恐れ、追加投資に応じてしまうというわけです。
外国通貨
外国通貨の投資詐欺には、一般的にあまり取引されていない新興国の外国通貨を市場価格よりも割高で購入される、という手法があります。特によく扱われるのが、アラブ・中東諸国の通貨。これらの地域は石油資源が豊富だというイメージを逆手にとり、石油資源を生かした工業や産業の発展による経済発展、通貨価値上昇などを最もらしくかたるわけです。
投資に明るい人でも、新興国の通貨となると、あまり情報を持っていないケースが多々あります。そして、こうした通貨は取引そのものがあまりされていないことから、別の通貨に変えることが困難な場合が多くあります。
その国の実情や通貨について知らないのであれば、手を出さないことが賢明です。
詐欺にひっかからないための対策
投資話をする人や会社を調べる
投資話を持ちかけられた際には、相手の言うことや肩書きなどを鵜呑みにせず、まずは相手のことを調べるようにしましょう。特に、インターネット上に会社が存在しない、会社はあるが実体が不明確で怪しい、会社の悪評が目につくなどのケースであれば、警戒を強めるべきでしょう。場合によっては、被害者の会がネット上にできている、というケースもあります。
また、詐欺師はターゲットと接する場合は、非常に「いい人」を装います。どれだけ好意的で、自分のことを思ってくれているという素振りを見せても、決してすぐに信用してはいけません
SNS経由の儲け話には乗らない
最近では、SNS上で投資話を紹介したり、ダイレクトメッセージで勧誘してきたりするアカウントが数多く存在します。こういったアカウントは、「儲かる」や「絶対に損しない」といったワードでユーザーを誘い、多額の現金や口座残高、高級品の画像をアップして、信憑性を高めようとするケースが多いです。
一見、それだけ稼いでいる、つまり成功しているように見えますが、果たしてそれは真実でしょうか。そして、そんなうまい話を、見ず知らずの他人に紹介するでしょうか。
SNSで投資話や儲け話などを紹介された際は、自己防衛のためそれが詐欺案件であると捉えておきましょう。間違っても会って話を聞こうとしてはいけません。
投資前に誰かに相談をする
資産運用詐欺の被害に遭う人は、誰にも相談すること無く、詐欺師の言うことだけを聞いて投資を決断してしまっているケースが多くあります。
おいしい投資話を最もらしく聞かされた直後は、判断力が鈍って客観的に物事を捉えられない傾向があります。そんなときに頼りたいのが、信頼できる第三者の存在。何かあったときにすぐ相談できる相手がいる人は、詐欺の被害に遭いにくいという傾向があります。もし、そうした話を持ちかけられ、心が動いているのであれば、一旦冷静になると共に、誰かに相談するようにしましょう。客観的に見てもらえれば、うまい話の「裏」を指摘してくれるはずです。
被害に遭った時の相談先
これまで紹介してきた知識を頭に入れておいていただければ、そうそう投資詐欺に遭うことはないでしょう。ただ、もしそれでもだまされてしまったというのであれば、自分一人で抱え込まず、これから紹介する、しかるべき機関に相談するようにしましょう。
警察 (連絡先:#9110)
詐欺は犯罪なので、警察に相談すれば被害届を出すことができます。また、警察の中には詐欺犯罪の専門窓口もあるので、詳しい担当者が話を聞いてくれます。
警察というと連絡先は110番がおなじみですが、全国共通の「#9110」という番号にかければ、電話一本で警察に資産運用の詐欺に関する相談ができます。
ただし、警察の仕事は詐欺を働いた犯罪者を逮捕することであり、詐欺師に奪われたお金を取り戻すことではありません。お金を回収したいということであれば、弁護士の力も借りるべきです。
日本証券業協会(連絡先:0120-344-999)
日本証券業協会は、株式や債券といった金融商品購入に関するトラブルの相談ができる機関です。日本証券業協会には投資詐欺に精通した担当者が在籍し、相談に乗ってくれます。
また、日本証券業協会は、警察署をはじめ各種機関と連携をしており、相談内容もそれぞれの機関に共有されます。電話一本で投資詐欺に詳しい担当者と話せるので、何かあればまずは相談してみましょう。相談料は無料となっています。
国民生活センター(連絡先:188)
国民生活センターは、投資詐欺に留まらず、あらゆる分野の消費生活に関する苦情や相談を受け付けている独立行政法人です。
もちろん、投資詐欺についても相談に乗ってくれますし、民事調停や裁判を行う際の手助けもしてくれます。万が一のときには、ぜひ連絡を取ってみてください。
弁護士
弁護士は、裁判をする際には必要になる存在です。投資詐欺の被害を相談すれば、詐欺師に対して資金返済や損害賠償の請求ができます。どうしても資金を回収しなければいけない際は、弁護士に相談してみましょう。ただし有償になるので、本当に必要なのか、お金に見合うのかなどは、しっかりと見極めたいところです。
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